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2025/04/06 23:45

〜サンゴ養殖現場視察から「海」を考える〜

ondeのミッションは「PASS THE JEWEL TO THE NEXT」。

JEWELには皆さんが手にする「ジェエリー」とそんなジュエリーが生み出される「地球」の二つの意味があり、これらが次世代へと繋がれていくことを願っています。

これまでondeでは形や色など一つ一つ個性的な自然の恵み(真珠や鉱石)を扱い、産地などジュエリーの旅路を皆さんにできる限りお伝えすること。都市鉱山生まれのアップサイクル金属「リサイクルメタル」を活用したものづくりを通じて、できる限り環境負荷を下げること。

そしてダイヤモンドの採掘者支援を行う団体への売り上げの一部寄付などを通じた透明性向上への支援など、一つ一つは小さな取り組みではありますがミッション実現に向けた旅路を進めてきました。


ブランド名のondeはイタリア語で「波」。

「海に対して何かできることはないだろうか」

そんなことを私たちが考え始めたことは至って自然なことでした。

彩り豊かな魚が集まる豊かなサンゴ礁が広がり、生態系豊かな綺麗な海がこの先もずっと続いてほしい。

ondeとつながりの深い「海」に対して私たちができることを今、考え始めています。


まずは現場のことを知りたい。

そう考え、サンゴの養殖現場の視察とサンゴの苗作り体験のボランティア参加をすべく、3月の初めに沖縄の石垣島へ足を運びました。(海のために!と考え、このボランティアに参加するまで2週間というスピード感でした。)沖縄の石垣島はデザイナーRinaが初めてダイビングで潜った海でもあり、ご縁も感じていました。


サンゴの役割と現状

日本には沖縄だけでなく、東京近郊だと静岡県の伊豆含めいくつかのサンゴ礁が見られるエリアが存在しています。日本国内で見られるサンゴは約300種類あると言われ、そのうちの200種類ものサンゴは沖縄で見ることができます。それくらい豊かな海が日本にはあるんですね。

▲サンゴの分布図。数は大よそのサンゴの種類を表しています。
(出典:サンゴのはなし・沖縄県環境保健部)

そんなサンゴの海での役割はどのようなものなのでしょうか?

海は地球の表面の約70%を占めていますが、そのうちのサンゴが生息する割合はたった1%程度。そんなサンゴに、海の中に住む全海洋生物のうち約25%が依存しているというので驚きです。サンゴは海の生き物たちが赤ちゃんを育むゆりかごのような存在になったり、またサンゴは光合成をするので海中の二酸化炭素を減らしたり、水質洗浄をするなどたくさんの役割を担ってくれています。ただ綺麗なだけではないんですね。

一方でそんなサンゴが現在、絶滅の危機にさらされていることをご存知ですか?

「白化現象」という言葉を聞いたことがあるみなさんも多いと思いますが、サンゴと共生関係である「褐虫藻」が海水温の上昇などさまざまな原因でサンゴから抜け出てしまうと、サンゴは栄養を吸収することができなくなり、いずれ壊滅してしまう現象のことを言います。サンゴがいなくなれば、魚の住む場所が無くなってしまい生態系に大きな悪影響を及ぼします。

海水温の上昇や、台風が来るタイミング、赤土の流出、サンゴの天敵のオニヒトデ大量発生・・・・などさまざまな事が原因と言われていますが、これには人間活動が大きく影響しています。

またこのままでは2050年には世界中のサンゴが絶滅する危険性がある、と言われているのです。


元気が無くなってしまっているサンゴの保全のためにできることは、多方面からありますが、今回はサンゴの保全活動を進める団体の活動にお邪魔し、サンゴの苗づくり体験に参加しました。


サンゴの苗木作り体験

今回参加させてもらった団体では、彼ら自身が養殖し、成長した「養殖サンゴ」(Mother coral)から少し枝分けしたサンゴを、ワイヤーでプレートに取り付けそれを養殖する方法で養殖活動を進めています。

▲立派なmother coral

まずは参加者一人一人に苗木が配られ、サンゴをプレートに取り付ける作業を行いました。

ワイヤーが緩いとサンゴが海流で流されてしまうので、「キツく縛ってください!」と漁師さんからも言われますが、これがなかなかコツが入ります。

このような形でサンゴを括ります。サンゴは海中でしか息ができないので、この後すぐに海水に戻しました。一つ一つ形も色も違うので、自分で括ったサンゴには愛着が湧きます。

その後は、沖に出てサンゴの養殖現場を視察させていただきました。

私たちが作った苗木もダイバーの方が潜って、一つずつ海の中に植え付けしていただけます。またその養殖場で育ったサンゴも、サンゴに負担のない範囲で見せていただきました。

今回参加した団体では、数年かけて、ここまでの大きさになるそうです。植え付けしたサンゴが逞しく大きくなっていってくれたら嬉しいですね。


このような地道な活動を通じて、サンゴの現象を食い止めようと取り組んでいらっしゃるみなさんの活動に大変感銘を受けました。それと同時に、サンゴの養殖だけでなく、養殖したサンゴがしっかりと育つ「環境づくり」が大切であることも痛感した旅になりました。たとえば赤土の流出や、海水温上昇など、複数の課題に取り組むことでサンゴがその後もスクスク育ちうる環境になる、と思うとやるべきことは山積みです。

その中でも「海洋プラスチックごみ問題」は非常に深刻です。今回の旅でも残念ながら多くのゴミを砂浜で見ました。周辺国から流れてくるゴミが大量に沖縄の至る海岸に打ち上がっており、大きな課題だと地元の方も仰っていました。

▲白保海岸に打ち上げられている様子


サンゴの植え付けだけに限らず、サンゴ保全のためにできること。

ondeだからこそできることを、準備中です。

皆さんにも参加してもらえるような取り組みも検討中なので、ぜひお楽しみにお待ちください。


onde member 牧尾依里 / Eri

インターネット広告代理店にてメディアプランナーの後、日常に彩りを与えられるような場づくりを目指し、不動産開発企画などのマーケティング・PRを行っています。デザイナーのRinaとは大学時代からの友人。

▲沖縄の海で(右からデザイナーRina, PR Eri)